河野大使令和4年天皇誕生日に際しての御挨拶

令和4年5月17日
皆様、こんにちは。駐アルジェリア大使の河野章です。
 本日2月23日は日本の国祭日です。日本の天皇陛下のお誕生日であり、陛下は本日62歳になられました。本年で御在位4年目、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という趣旨をもった「美しい調和」という意味の元号である「令和」の時代の4年目となりました。天皇皇后両陛下は、日本と各国との友好親善関係をますます深く、豊かなものとするため、日々御尽力されています。
そこでこの機に私からアルジェリアの皆さんにご挨拶をさせていただきたいと思います。
 本年、アルジェリアは独立60周年であり、日本はアルジェリアとは独立前から親しい交流がありましたので、独立してすぐに国交樹立がなされました。そのため、本年は日・アルジェリア国交樹立60周年の年でもあります。この機に、この60年以上の期間を振り返り、私は両国関係を、日本の諺である「困ったときの友こそ真の友」、アラビア語では「الصديق وقت الضيق」と表現したいと思います。
 日本・アルジェリア二国間関係は、1958年9月、FLNが東京に、日本、フィリピン、台湾、韓国、ベトナム、ラオス、カンボジアをカバーする極東外交団事務所を設置したことに始まります。両国の良好な関係から、日本はアルジェリアの独立が宣言された1962年7月3日の後すぐ、1962年7月4日に国家承認し、それから、今日に至るまで両国は常に友好関係にあり、さらに困ったときに助け合う密接な関係を築いてきました。
アルジェリア独立後、アルジェリアが独自の炭化水素産業の確立に挑戦していた時期には、日本企業がプロジェクトを通じてアルジェリア経済の発展に寄与し、また、1980年代の石油危機の際には、石油不足で困っていた日本はアルジェリアに輸出をお願いし、助けていただきました。炭化水素分野から始まった二国間の産業の繋がりは、徐々に自動車産業や電子機器等の他分野へも広がっており、経済多角化の変革期にある今後のアルジェリアに日本企業は大きな関心を寄せています。
 そのほか、我々には地震国という共通点があり、それぞれが震災を受けて困っている際にも、相互に協力して助け合ってきました。
1988年からは継続的にアルジェリア人学生が日本の文部科学省が実施する奨学金制度によって留学生として日本へ来日しており、これが二国間の学術交流や友好関係の深化にもつながっています。留学を終えた後、アルジェリアで教授となられている方も多くいらっしゃり、今後もアルジェリアの学生の皆さんにはぜひ日本への留学を視野に含めて考えていただきたいと思います。
 ほかにも、日本はODAを通じた技術協力によるアルジェリアの人材育成にも取り組んできました。更に国際機関とも連携し、若者の雇用創出や人道支援といった分野でも協力事業を実施しています。
本年8月には、第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催される予定です。新型コロナウイルス感染症が、アフリカの経済・社会にも甚大な影響を及ぼす中、国際的な連携が今こそ重要です。TICAD8を通じ、アフリカ自身が主導する発展を引き続き力強く後押しし、ポストコロナを見据え、アフリカ開発の針路を示していく考えです。
 日本・アルジェリア両国は、地理的距離としては遠い国ですが、「令和」という元号名に込められた想いのとおり、二国間の心は今後も引き続き寄り添って、経済面でも、文化面でも、ますます相互の交流が発展していくことを確信しています。
 このメッセージをご覧頂いている皆様の御健勝をお祈りし、祝賀のご挨拶とさせていただきます。
 
2022年2月23日
駐アルジェリア日本国特命全権大使
河野 章